あまりにもすばらしくて涙が出た。
彼にとっての、9年という歳月が、
いかに険しいものだったかを物語っていた。
見当違いを通り越して怒りすら覚える質問に、
簡潔に、明瞭に、正確に、答えていく。
その知識は、普通に生きていれば必要のないものだ。
間髪入れずに完璧に反応していくその姿は、
本来生まれ得ない、彼だ。
そこにあるべきだった、時間と、家族。
報われる時は、来るのだろうか。
手に入れたすべては、失ったすべてのためのものだ。
元には戻らない、すべてのための。
暗き空へと消え行きぬ
わが若き日を燃えし希望は。
夏の夜の星の如くは今もなほ
遐きみ空に見え隠る、今もなほ。
暗き空へと消えゆきぬ
わが若き日の夢は希望は。
今はた此処に打伏して
獣の如くは、暗き思ひす。
そが暗き思ひいつの日
晴れんとの知るよしなくて、
溺れたる夜の海より
空の月、望むが如し。
その浪はあまりに深く
その月はあまりに清く、
あはれわが若き日を燃えし希望の
今ははや暗き空へと消え行きぬ。
中原中也 - 失せし希望
Badly Drawn Boy - Year Of The Rat
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